京の和菓子は古より京都御所を中心とした公家や大名、寺社や茶屋へ納める献上菓子であったため、一子相伝の職人技はより洗練されて、名実共に銘菓を生み出したのである。
その極上の品格と上品な味、風情ある銘菓には京の彩りと文化が感じられる。
 またその一方、京都には有名な神社仏閣が多く、全国から参詣する人々が門前市をなした名物の、素朴で庶民的な味も見逃すことはできない。



◆亀屋良永 代表銘菓「御池煎餅」「山づと」
 江州産の上質餅米を粉にして軽く焼き、砂糖に醤油を加えた蜜をはいて亀甲形の焼き目を入れた菓子で、いかにも京都らしいはんなりとした風雅な味。
もう一つの「山づと」は白餡入りの桃山地の焼き饅頭で、饅頭の栗にぎんなん、紅葉、銀杏など色彩豊かな山の土産を篭に盛り込んだ趣向は、上品で楽しい贈り物に最適。
 創業は天保3年(1832年)。初代・大文字屋庄三郎から150年余りの歴史を持ち、現在の当主は5代目。職人肌でありながら当りの柔らかい主人である。誇り高い京都の「菓匠会」の一員として今、伝統の技を生かしてさらに新しい時代の菓子作りを模索している。
 店舗はメイン通りの御池通り寺町の角にあり、京都らしい落ち着いた店構えと、小さな飾り窓の季節の花と菓子をあしらった風情は、しばし道行く人の足を止める。
 その他の商品では、先代考案の「月」「飄々」、当代考案の干菓子「大原路」、季節の花によせた「松露」、棹ものの「小倉山」なども好評。場所柄もよく、訪れるお客様も多い。

 地方発送有り
 〒604-8091
 京都市中京区寺町通御池下る本能寺町
 電話 075-231-7850
 出店 京都大丸、高島屋、JR京都伊勢丹、京都駅観光デパート
 ポルタ


◆鶴屋吉信 代表銘菓「柚餅」「京観世」

 同業のある人が言った。「あこは京都でも一、二のきれいなお菓子を作らはる」と。なるほど、季節を彩る上品な色合いと鮮やかな透明感は、食べるのが勿体ないほどの芸術品である。創業は享和三年(1803年)、200年の歴史を持つ。
 代表銘菓の「京観世」は丹波大納言製の小倉餡を村雨にして、観世水の文様に巻いた棹物であるが、その切口に浮かぶ渦状の妙と、風味ある甘さは逸品。
また、もう一つの「柚餅」は三代目が嘉永三年(1850年)に創案したもので、柚子の香りと求肥の柔らかな感触を生かした京菓子らしい上品な風味が好評。
その他、季節を彩る和菓子の数々。「京菓子は雅びの花 季節の譜を奏でる楽の音 京菓子との出会いの中にいつも新しく、いつも素晴らしい感動がありますように・・・」と謡っているように、見るだけでも楽しいお店である。
 本店二階のお休み処には中庭を配し、趣向を凝らした茶室「遊心」や、珍しい数奇屋風のカウンター席「菓遊茶屋」では、お客様の目の前で季節の菓子を作ってくれる。
抹茶と共に、ゆったりと京の情緒に触れる菓遊空間がここにある。
 直営店は東京の世田谷、麹町店ほか全国主要都市の百貨店など。


 〒602-8434
 京都市上京区今出川通堀川西
 電話 075-441-0105
 ホームページ http://www.turuya.co.jp/


◆笹屋伊織 代表銘菓「どら焼」
 もともと伊勢の城下町田丸で和菓子職人をしていた初代・笹屋伊兵衛が京都御所へ呼び寄せられ、京の地に暖簾を掛けたのが享保元年(1716年)。御所の百官名のひとつ「伊織」を頂戴し四季を伝える和菓子作りに研鑽している。
 代表銘菓「どら焼」は有名。江戸時代の末期、弘法大師ゆかりの東寺のお坊さんから、何か副食となるものを作ってほしいと頼まれたのが始まり。
鉄板の代わりに熱した銅鑼の上で焼いた秘伝の薄皮に、棒状に形作ったこし餡を乗せ、くるくると巻き込んだものを竹の皮で包んだもの。
もっちりとした皮の歯ざわりとほど良い甘さ。その美味はたちまち町の人々の話題となり、店はてんてこ舞いの有様。しかし、この「どら焼」は簡単には作れず、月に一度の弘法大師の命日を挟んだ20、21、22日の3日間限定で販売している。
 このように余りにも「どら焼」が有名だが、元来、有職御菓子司だから、手掛けている菓子の種類も多い。四季を通じて「本わらび餅」「幽寂」「黒豆せんべい」各種羊羹や最中、栗きんとんなど風味豊かな銘菓も、京土産や贈り物には最適である。
地方発送も可。
JR京都伊勢丹、京都大丸、大阪梅田大丸、新宿伊勢丹、松戸伊勢丹に出店。

 〒600-8831
 京都市下京区七条通大宮西入
 電話 075-371-3333
 ホームページ http://www.sasayaiori.com/


◆粟餅所 澤屋
 北野天満宮の門前にあり、粟餅だけの店である。店先にまで漂う甘いきな粉の香りは、甘党ならずとも思わず足が止まる。
平日だというのに店内はお客様でいっぱい。祝祭日には行列ができるという評判の店である。
 ただ粟餅を蒸して搗き、その上に餡やきな粉をまぶしただけのものだが、そこには昔から粟餅ひと筋に生きた職人の技が光っている。一度食べたら忘れられない味・・・柔らかな餅の舌ざわりに、香ばしいきな粉や甘さを控えた餡のうま味。柔らかさを一定に保つために、餅は日に何度かに分けて搗く。そしてお客様の注文を聞いてから作る手の温もり、気取らず飾らず、文句なしのおいしさがたまらない。
 ここの評判は、お客様の口から口に伝わったものだ。それが本物の味だろう。天神さん参詣の帰り、ホッとする至福のひと時である。
 創業は天和二年、当時の神幸道のあたりにあった亀の松樹の下に、杉皮葺の屋根によしず張りの茶店を開いたのがはじまり。
代々粟餅を作り続けて現在12代目。どんなに忙しくても、ニコニコと愛想のよい主人の人柄も嬉しい。
営業時間は朝9時〜夕方5時までだが、その日の分が売り切れると閉店となる。

 〒601-8384
 京都市上京区今小路御前西入る
 電話 075-461-4517
 


◆本家・尾張屋 代表銘菓「そば餅」とそば処
 「そば餅」は多いが、京都の人はやはり本家・尾張屋さんのが一番という。どこが違うのか? 材料も製法もだいたい同じだとすれば、あとは長い伝統の上に積み重ねて来た技法の違いと職人の感性であろう。
そんな小さな違いを、お客様の舌は微妙に感じとる。確かにここのそば餅はひと味違う。上質の北海道産小豆で作ったこし餡を、そば粉たっぷりの上皮で包んで焼き上げたものだが、その色合いと、ほのかなに香るそばの技法で、薄く伸ばした生地を一文字釜で一枚一枚丹念に手焼きした「蕎麦板」も珍しくて好評。
 創業530年。現在の15代当主・尾張屋傳左衛門さんの「そばの香りと暖簾の味」を伝えたそば処も、そば通のお客様には大好評。
昔風の店構えの前にはハイヤーの列が並び、趣のある日本間で味わうそばの風味と古都の風情はまた格別。
 本店のほか鳥丸店、四条店、高島屋店があり、菓子売り場は京都大丸、高島屋、JR京都伊勢丹、京都駅地下ポルタ。
地方には東京日本橋三越、日本橋高島屋、池袋西武、横浜、大阪、博多などの有名デパートに出店している。
地方発送も可。

 〒604-0841
 京都市中京区車屋町通二条下る
 電話 075-231-3446
 フリーダイヤル 0120-17-3446
 FAX 075-221-6081
 ホームページ http://www.honke-owariya.co.jp/
 


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