扇子の歴史は古い。団扇が中国から伝わったのに比べ、扇子は日本独自のもの。その優雅な感性はまさに日本人の美意識の象徴であろう。その用途は涼をとるだけでなく、舞扇や飾り扇など儀式用から芸能、装飾用にまで季節にかかわりなく使われているが、その扇子発祥の地が京都であり、生産量も全国の九割以上を占めているのである。



◆宮脇売扇庵
 京都の中心地、六角通り富小路西にあり、創業は文政6年(1823)。約180年の歴史を持つ。どっしりと風格のある町家の表構えと、入口に掛かる水引きのれん。軒先には古い床几が置かれている。虫籠窓といわれる独特の窓も珍しく、江戸時代の代表的な商家の構えはさすがに古都ならではの風情と、伝統の重さが感じられる。
広い店内には多種多様な扇子が飾られ、静かな雅びの空間はしばしの間、街の喧騒を忘れさせてくれる。
 店名の宮脇売扇庵は富岡鉄斎の命名とか。登録商標の「美也古扇」は冷泉家の筆によるもの。扱っている扇子は風雅な柄が息づく飾り扇、日本舞踊などに用いられる華やかな舞扇や茶席に使う茶扇、祝儀用の扇子など見事なものである。一般に用いられる夏扇には草花をあしらったものが多く、その上品な意匠は暑い京都に涼しさをよぶようだ。
価格は2,000円〜50,000円。2,000円前後の飾り用茶扇(ミニチュア)などが手頃で好評。

 宮脇売扇庵
 本店
 京都市中京区六角通り富小路西入る
 電話 075-221-0181  FAX 075-221-0439
 東京営業所 東京都中央区銀座8-8-19 伊勢由ビル5階
 電話 03-3573-2195



◆京扇堂
 この業界一番の老舗である。店内に飾られた扇子の一つ一つに、古都の雅やかな伝統工芸の粋が光っている。
創業は天保年間。昔から京の古い扇屋は「阿弥」という称号を名乗ってきたが、京扇堂も旧名は「真阿弥京扇堂」という名で洛中の人々に親しまれ、現在の当主は六代目。
 扇子の種類は多く、茶席に携帯する茶席扇、見合いや婚礼に用いる式服扇、床の間や壁に飾る飾り扇など、まさに芸術品の風格が漂う。一般に使われる夏扇の、草花や花鳥風月の絵柄はいかにも涼しげ。その工程はすべて熟練された職人の手作りで、特に原材料の紙と竹の良し悪しにはこだわる。紙は四国・高知県で扇子専用の和紙を仕入れ、竹は弾力のある苦竹を使っているが、この工程はVTR「京扇子の出来るまで」にまとめ、いつでも見る事ができる。またお客様自身の素敵なオリジナル扇子を作るコーナーもあり、独自の記念品やプレゼントに好評。料金は一人2,200円、予約制。

 京扇堂
 本店
  京都市下京区東洞院正面上る
  電話 075-371-4151 FAX 075-371-4155 
 東京店
  東京都中央区日本橋人形町2-4-3
  電話 03-3669-0046
 売店
  ポルタ(京都駅地下街)
  京都朝日会館6F(京都河原町三条)
 




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