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  西陣織工芸美術館 松翠閣

 京都の西陣織と言えば世界に誇る織物だが、ここ松翠閣は本場西陣の地にあって「伝統と創作」をテーマに一般公開している町中の美術館である。展示されている数々の作品一つ一つに、連綿として受け継がれた美の追求と高度な技術、膨大な労苦、そして現代風にアレンジされた感性の輝きを見ることが出来る。。
 表通りから見ると一見、料亭風に見えるが、この建物は桃山時代に代表される書院造りの様式で建てられ、現代流行の町家として訪れる人も多い。
 日本絵画で有名な尾形光琳、円山応挙、葛飾北斎、安藤広重らの絵を伝統の織技術を駆使して屏風、掛け軸、衝立などに再現。さらに世界の画家ゴッホ、ルノワール、ミレーらの絵を見事に復元した作品群も感動的である。
 水禽窟のある裏庭と、帯地を敷きつめた渡り廊下の先に離れと土蔵があり、離れには帯地、土蔵には掛け軸が展示されているが、狭い空間に座して周囲の作品と対話するひと時こそ、まさに幽玄の世界、癒しの空間であろう。
 二階は西陣織を使った袋物、和装小物類、草履やカバンなど、女性にとっては見逃せない逸品が展示されている。
 また、年4回ほど特別展「京の四季・春」「京の四季・夏」などを開催。
 京都市上京区寺ノ内通智恵光院東入 電話075-431-1670
 交通…市バス「堀川寺ノ内」下車西へ400M 
    または「乾隆校前」下車東へ500M
 入館料…高校生以上200円



  風俗博物館 源氏物語を体感

 「時代が体験出来る博物館にしたい」という思いから、源氏物語の主人公・光源氏の舞台であった六条院と、その時代の風俗、邸宅の構造や調度品、華やかな催しに集まる人物像など、実物1/4大で再現。京都でも珍しい博物館だが、余り知られていないのが残念。
 この六条院は実際にあったものではなく、作者・紫式部の小説の中に描かれた御殿であるが、これまで書物や絵巻物でしか見られなかった源氏物語の世界を、これほど見事な立体的に表現したものは他にはないだろう。精巧に作られた御殿内のそれぞれの間取りや、屏風、衝立、御簾などの調度品や、そこへ登場する男や女たちの表情や装束などは、その時代の文献を参考にして一つ一つ織り上げたものという。
 場面は「六条院春の御殿」が演出され、女三の宮が乗る最上位の唐車が寝殿の正面に着けられ、源氏自らが出迎える場面で、供に控えた侍や女房たちの振る舞いなど、目の前に活き活きとして展開する華やかで優雅な世界に魅せられる。ぜひお薦めしたい博物館である。
 6月、12月は展示入れ替えのために休館。また希望者に当時の衣裳を着せてくれるサービスも嬉しい。
 京都市下京区信花屋町通堀川東入る 井筒ビル5階 電話075-342-5345  交通…市バス「西本願寺前」下車
 料金…一般400円、高大学300円、小中学200円
 休館日…日曜、祝祭日、盆休み、年末年始、入れ替え期間中



  京都伝統産業ふれあい舘

 平成8年5月、京都の産業振興の拠点としてリニューアルオープンした岡崎の京都市勧業舘「みやこめっせ」の地下に併設、京都の伝統工芸品のすべてが集められている。入口は京都の町家風の構えに坪庭があり、広々とした常設展示場には多彩な伝統工芸品の粋を、実物に加えその製造工程をパネルや映像など体系的に紹介している。              
 展示されているのは伝統工芸品66品目、約450点。そのすべてを見学するには時間がかかるが、それぞれの作品に光る感性と、磨き抜かれた技術には唯々驚くばかり。そして作品の一つ一つに、京都の歴史と風土に培われた「華やかさ」や「雅び」、「風流」といった心が流れているように思えた。それは1200年の歴史を背景にした京都人の「気概」とも言うべきか。
 その他、ギャラリーや「ふれあいしょっぷ」、図書館、体験コーナー、ビデオコーナーなどがあり、楽しみながら伝統産業の重みを知ることが出来る。
 ◆伝統工芸品◆
 京石工芸品 京瓦 造園 竹工芸 京友禅 京小紋 京鹿の子絞 京無地染 京黒紋付染 旗印染 京くみひも 西陣織 京繍 足袋 京袋物 花かんざし 黄楊櫛 北山丸太 京銘竹 和傘 提灯 張籠 釣竿 竹工芸 京すだれ 京扇子 京人形 清水焼 京漆器 京表具 版画 色紙短冊 京唐紙 印章 水引細工 工芸菓子 日本酒 京刃物 金属工芸 七宝 象嵌 京指物 念珠 京仏壇、仏具 薫香 能面 弓矢 神祇調度など  
 京都市左京区岡崎成勝寺町 京都市勧業舘地下 電話075-762-2670
 交通…市バス「京都会館・美術館前」 地下鉄東西線「東山駅」下車
 開館時間…午前9時〜午後5時 休館日…年末年始
 入場無料




  京都の歴史と文化 京都文化博物館

 京都は1200年の帝都として政治、経済、宗教の中心であり、それと共に優れた文化を継承して来たことは言うまでもない。ここ文化博物館は本館と別館に分かれているが、先ず目につくのは三条通に面して建つ赤煉瓦の美しさであろう。この洋風建築は旧日本銀行京都支店で、明治39年(1906)に竣工した国の重要文化財である。ホール内は展覧会や音楽会などの催しに利用されている。入場無料だが、催しは別途料金が必要。
 本館二階は歴史展示室で、平安京建設から明治大正までの京都の歴史と文化、産業、技術、生活を、模型、AV機械、パネルなどで展示、総合的に見ることが出来る。
 三階は美術、工芸展示室で、京都ゆかりの美術、工芸作品を中心に紹介しており、京都の息吹を伝えている。(約三ヶ月ごとに展示替えされる)
 また、日本映画発祥の地にふさわしい映像ホールや映像ギャラリーもあり、収集した珍しい映像資料など、懐かしい映画が偲ばれる。
 四階は特別展示室になっており、京都の歴史、文化、芸術、暮らし、産業などの特別企画展が開かれるほか、京都府、報道機関、文化団体等と共催の展覧会も開かれる。
 その他、京情緒が楽しめる「ろうじ店舗」は、京の町並みの表構えを復元、酒屋、炭屋、米屋などの「京格子」の中では、食事、喫茶、名産品売り場などがある。
 京都市中京区高倉通三条上る 電話075-222-0888
 交通…市バス「堺町御池」下車。地下鉄「烏丸御池」下車
 休館日…月曜日(祝祭日の場合は翌日)
 料金…一般500円 高、大学生400円 小、中学生300円



  埋蔵文化財を身近に 京都市考古資料館

 延暦13年(794)桓武天皇によって京都に都が定められて以来、京都は日本の政治、経済、文化の中心として栄え、多くの歴史的遺産を残して来たが、一方、地中には原始時代から平安時代を経て近代までの遺構や遺物が数多く埋もれていたのは当然である。京都市考古資料館は、これらを発掘調査した貴重な考古資料を大型の遺跡写真と、当時の生活様式を語る出土品、発掘調査資料など数々を展示しており、古代の人々の生活や暮らしを身近に感じさせてくれる。考古学に興味のある人はもちろん、一般の見学者にとってもぜひ、見てほしい資料館である。
 ◆平安時代の土器変遷コーナー
 平安時代の焼き物を半世紀単位に区分して展示。緑彩陶器から輸入陶器の形態や素地、用途など、様々な変遷が理解出来る。
 ◆テーマ展示コーナー
 京都駅周辺には鎌倉時代から室町時代にかけて活況を呈したブロンズの生産遺跡があり、職人町と呼ばれたこの遺跡からは鏡や仏像、銭貨等の鋳型が出土、京都金属工芸のルーツを彷彿とさせてくれる。
 ◆縄文住居跡コーナー
 京都府内で初めて発見された縄文早期(8000〜8500年前)の竪穴住居跡(実物大レプリカ)は、当時の人々がどのような暮らしをしていたのかを考えるヒントを教えてくれる。
 ◆国際都市・京都コーナー
 京都は平安時代以降、日本の首都であったことから中国大陸との交易品が数多く出土している。中でも越州、龍泉、同安窯系の青磁や高麗青磁、李朝象眼青磁などの逸品や、ササン朝ペルシア製二重切子瑠璃椀を見ると、夢のようなシルクロードを身近に感じる。
 ◆オープン展示コーナー
 考古遺物を実際に触れたり、手にとって観察出来る。土器や寺院の瓦、石器の母材となるサヌカイト建物の基壇に用いられた凝灰石なども展示。
 ◆現代別展示コーナー
 先土器時代から江戸時代までの京都の歴史を「原始時代の京都」「平安の新京」「桃山文化の開花」など時代別に分け、約700点の考古資料を展示。イラストやレプリカを活用して各時代の人々の暮らしぶりを解説している。
 京都市上京区今出川通大宮東入る 電話075-432-3245
 交通…市バス「堀川今出川」下車西へ2分
 休館日…月曜日と年末年始 開館時間…午前9時〜午後5時  観覧料…無料



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